染色後
毛髪のほとんどを形作っている「ケラチン」と言うタンパク質に、ローソニア・アルバ(ローソン)が付着しコーティング、その独特の色素であるオレンジ色を染色します。その際、周りの水分も一緒に抱き込み付着し髪内部へ浸透させますので、ヘナ染色後はパサパサ髪もしっとりに、艶のある髪になります。また、ケラチンがローソニア・アルバ(ローソン)により強化され、コシのある髪にも変化します。
付着しているローソニア・アルバ(ローソン)は洗髪するごとに洗い流されて少しずつ色落ちします。 その期間は洗髪回数、洗髪料の使用の有無、汗や脂分の量等により変わります。
また、ヘナは天然の植物であるため、出来の良い年、悪い年があります。つまり、ローソンの含有量が多い年、少ない年などが出てきます。これはヘナ染毛料として使用する際、色の出方に違いが出ています。全く同じ量、同じような染め方で染色しても、色が薄かったり濃かったりするのはこのためです。「ヘナは髪や頭皮に優しいけどあまり使いたくない」と言われる原因の一つは、この色の不安定さにあるようです。
染色後
ジアミン系染料(酸化染料)は低分子であるため、髪の内部にまで浸透します。その後内部で重合し高分子化します。その為、髪内部から抜け出ることが難しくなり、結果内部にとどまることになります。色落ちがしにくいのはこの為です。同時に酸化染料が入ってくると、メラニン色素が分解し脱色します。つまり、ジアミン系染料(酸化染料)を使うと、脱色と染色を同時に行っていることになります。その為、毛髪の色の変化は劇的です。15分ほどで一気に脱色と染色を行い、白髪は瞬く間に違う色に変化します。
染色力、染色持続力は、ヘナと比べると格段に速く、長くなります。
HC染料は毛髪や頭皮に対して優しい化学染料として使用されています。 プラスやマイナスの電荷を持っていないので塩基性染料のようなイオン結合は出来ません。
塩基性染料とは?
この染料もHC染料と同じように、毛髪や頭皮に対してやさしい化学染料として使用されています。分子の大きさは大きく、微量のアルカリ剤をミックスしてプラス電荷にしてあります。日光に弱く色あせがしやすいという特徴があります。
イオン結合とは?
ダメージヘアはマイナス電荷が多いため、プラス電荷である塩基性染料は付着しやすい。この原理を利用した染色方法です。
染色後
HC染料はイオン結合による染色は出来ませんが、分子径が小さいためキューティクルの隙間から毛髪の内部まで浸透することができ、分子間力によって染色します。発色はHC染料の色、ヘナコーティング及びローソニア・アルバ(ローソン)によるものです。これらの染料の色持ちは一般的に2~3週間程度で、肌に染まりにくいと言う長所があります。天然ヘナの力は損なわず髪に作用し、さらにHC染料によって色の入りをよくする、そんな染色方法です。
ただし、HC染料の小さい分子は内部に浸透しても酸化染料(ジアミン染料)のように結合はしません。結果、外部に出てしまう割合が酸化染料と比べて多く、色落ちし易いというマイナス面があります。
*全てのイラストは、染色の仕組みをイメージ化したものです。